折花姫(2)
ある暗い夜のことでした。小さなお城に突然火の手があがり、寄せ手が、
「わあっー」
と、ときの声をあげながら城内になだれこんでいきました。城にたてこもっていた武士たちは、力をふりしぼって戦いましたが、多勢に無勢、いつか城は敵の手の中に落ちていきました。このとき、城の中にいたひとりの武将は、
「ここは何とかのがれ、時が来るのを待って、再び兵を挙げよう。」
と決心し、ひとり娘の折花姫と共の者を連れて闇の中に姿を消しました。

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