くしかわ姫(10)
川面に映った若君の苦しげな姿、そして大切な櫛が落ちていった・・・。
「もしや若君の身に・・・。」
姫君は来る日も来る日も、
「櫛、櫛、」
とつぶやきながら、川の中を探しまわった。
村のしゅうも、姫君の思いつめたようすに、これは一大事とみんなで手分けをして探したが、櫛はどこにも見あたらなかったと。
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