くしかわ姫(2)
それは、むかし、むかしのこと。
山また山のずうっと奥に、鳥屋という小さな村がぽつんとあった。
村の中を川がゆうゆうと流れておった。
この村の道場というところに、立派な屋敷があり、そこにりりしい若君が住んでおった。
若君は笛が好きで、晩になると、川のほとりに立って、夜が更けるまで笛を吹いておったと。
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