雛鶴姫(10)
姫の一行が、川に沿って秋山村に着いたのは、十二月もおしつまった頃でした。
その時、姫は御子が産まれそうになり、家臣が近くの農家にかけこんで頼みましたが、
「すまねえけんど、おらがじゃ泊めるとこがねえから、よそに行ってみろ。」
と、気のどくそうにことわるのでした。

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