雛鶴姫(4)
鎌倉の土牢で親王のお世話をしていた雛鶴姫は、狂わんばかりの悲しみのなかから、きっと顔をあげると、
「親王さまのみしるしを、なんとしてもみやこにお運びして葬らねばなりませぬ。」
きっぱり言いきりました。
命をかけて姫をお守りする家臣と共に、みしるしを抱いて、夜ひそかに鎌倉をぬけだしました。

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